半分、お母さん
明日にはお腹から出てくる予定の赤ちゃん。
広い世界へようこそって迎えるの楽しみだよ。
お腹に宿ってくれたときは、期待しすぎないようにするので精一杯で、喜びを爆発できなくてごめんね。次の検診まで無事でいてくれますように、無事に安定期を迎えられますようにって、あの頃はそれだけだった。
そのあとは食べ物の好みが変わったり、後期にはあんこのものが食べたくなったり、身体って不思議だなと感じることもあったなぁ。歯磨きがつらいのも大変だった。今となってはそんなこともあったな、ってくらいだけど。
胎動は少しポコポコするくらいのすごく早い時期から感じられたんだけどね、ちょっとエイリアンみたいって思っちゃったんだよ!ごめんね。すぐに愛おしくなったから許して。
胎動といえば、9ヶ月の頃はお腹の中で動いているのがなかなかつらいときもあったなぁ。元気に動いててね。正直、夜寝られないほどのときもあったんだよ。
それでもここ2、3日は痛いほどではなくなってきたね。正産期の頃にはさすがにあまり動きにくくなってくるのかな。
こんなに存在をアピールしてもらってたんだけど、キックゲームしなかったでしょ。迷ったんだけど、お腹の中では好きに自由に、気ままに過ごしてもらえればいいかなぁって思うことにしたの。出てきたらたくさんたくさん遊ぼうね。
あなたがお腹にいることで、たましいっていつから宿るんだろう。そんなことを思ったりもしたよ。不思議だよね。正解はママには分かりません。
会えるのが楽しみすぎる反面、明日から、もうこうしてお腹の中で動いてもらえないのは、ちょっとさみしい気もするよ。お腹が動くのがもう見られなくなっちゃうね。
この長くて短い何ヶ月の間、少しは居心地よく過ごしてもらえたでしょうか。あなたの分身として過ごした"半分お母さん"、がんばれたかな?明日からは分身じゃなく、あなたとママ、1人と1人だね。
できるだけお腹の中で育ってもらえるように、最近の"半分お母さん"はそれだけを使命に生活してきたの。無事使命は果たせそうかな。
無事に産まれてきてくれたら、ママとしてやれること、一人の人としてやれること、そんなことを考えていけるようにがんばるね。
いろいろあって早く産まれてくる可能性もあったから、ここまでお腹の中にいてもらえて、今は安堵の気持ちでいっぱいです。よくここまでがんばってくれたね。
あなたのがんばりはもちろん、これもパパをはじめ、いろんな人に支えてもらったおかげなんだよ。あなたが産まれてから会う人たちだけじゃなくてね、天国にいる産まれてこられなかった子やあなたの身内の人たちにも支えられてる、とママは思ってるよ。
これからの人生、たくさんの人に支えられて生きていくことになるでしょう。お返しもできる人に一緒になろうね。
あなたがお腹にいる間に街に出るとね、知らない人からもおめでとうとかの言葉を何度も掛けられたんだよ。知り合いや病院の人とかだけじゃなく、知らない街の人にも。今日は2回、声を掛けられちゃった。
よかったね。幸せだね。
自分の人生を大切に、謳歌して、健康で楽しく幸せに、たくましく生き抜いて欲しいと切に願っています。
明日楽しみにしてるね。
明日からの日々も楽しみにしてるね。
ずっとずっとよろしくね。
わたしたちをパパとママにしてくれてありがとう。
ずっと一緒に幸せ家族しようね。
P.S.
あなたがお腹に来てくれる前や、念のためおうちでゆっくりすることに決めた頃まで、よく行っていたカフェがあったの。今日は久しぶりにそこへ行って、まったりしながら上の文章を書きました。
カフェへ向かっているときにね、あなたが産まれる前に1人で来るのはさいごなんだなと思いながらも、完全に1人で来ているわけじゃないなぁと思ったりして。そしたら半分お母さんって言葉が思い浮かんだのでした。
今は帰りの電車の中。カフェからの帰り道は、夕焼けがとてもきれいでした。
世の中のきれいな景色も、たくさんたくさん一緒に見ようね。